STIHL インジェクション:日常作業におけるパワーイノベーション

堅固な木材にも負けないパワフルなテクノロジー:インジェクションを搭載したSTIHLパワーツールは、プロユーザーも信頼して使用できるパワーパックです。

チェンソーMS 500iで鋸断する男性のクローズアップ

インジェクションによる優れたエンジンパワー

STIHLの真のイノベーション:キャブレター非搭載エンジンで、パワーツールの正しい混合気を形成するインジェクションシステム。

インジェクションとは何ですか?

インジェクションとは、内燃機関の混合気形成技術です。こちらよりインジェクションがどのように機能するのか、その詳細をご覧いただけます。

適切なエンジンパワーのために 重要な酸素

最適なエンジン出力を得るためには、そもそも給油された燃料ではなく、空気がカギとなります。原則として、エンジン内部を循環する燃料は、空気中の酸素と炭化水素粒子を反応させる役割を果たすだけです。ただし燃料は、 常に適量を適切な場所に適切なタイミングで供給されなければなりません。なぜなら、エンジンのポテンシャルを最大限に引き出すことができる迅速で完全な燃焼は、完璧な空燃比の混合気がなければ実現されないからです。

空気と燃料の混合気を最適化する技術:キャブレターとインジェクションシステム

完璧な空気と燃料の混合気を確保する一つの方法は キャブレターです。しかし、このキャブレターは複雑な構造となっています。キャブレターは、主に吸気真空圧と大気圧との圧力差に基づいて完璧に機能する機械的な構成部品です。キャブレターが正しく機能するためには、常に適切なバランスが保たれなければなりません。しかし、キャブレターの機能に悪影響を及ぼす可能性がある要因に注意を払えば、通常はこのバランスを問題なく保つことができます。標高や気温の変化、エアフィルターの汚れ、エンジンの摩耗、燃料の品質などは、キャブレターのスムーズな機能に悪影響を及ぼす可能性があります。しかし、標高や気温に左右されることなくパワーツールを使いたいときはどうすればいいのですか?あらゆる地形に対応するSTIHLのパワーツールでは、できる限り広範囲な作動半径を得るために、インジェクションシステムが採用されています。これにより極めて高い信頼性が保たれ、外部から影響も受けにくくなっています。インジェクションシステムは、圧力差によって機能するキャブレターとは異なり、燃料は噴射バルブを介してクランクケースに直接噴射されるか、革新的なチェンソーMS 500iのようにインテークマニホールドに直接噴射されます。このとき噴射ポンプによって燃料圧力が一定に保たれるため、噴射バルブはどの動作時点でも最適な量の燃料を供給することができます。

インジェクション - ユニークな技術に基づく数多くの方法

このインジェクション(燃料噴射)原理は技術的に最高の性能を発揮しますが、インジェクションシステムにも様々な仕組みがあります。全体像を把握するために、以下に3種類の主なカテゴリーを紹介します。

 

落葉樹林の地面でSTIHLエンジンチェンソーMS 500iを始動させる作業用防護服姿の男性

電子インジェクション搭載の初のチェンソー:チェンソーMS 500¡

世界初登場:STIHLチェンソー MS 500iは、電子制御インジェクションを搭載して連続生産された初のチェンソーです。このチェンソーの特徴は、そのエンジンにあります。このエンジンには、最高の性能を発揮するようにエンジンを調整するセンサー制御のインジェクションシステムが搭載されています。STIHLがイノベーションの新境地を開拓したこの技術は、ツール使用時に数え切れないほど多くのメリットを提供してくれます。

革新的なインジェクションシステムを導入し、キャブレターとキャブレター部品を廃止したことで、比類のない軽量設計に成功しました。プロ仕様のエンジンチェンソー市場において、前例のない最高のパワーウェイトレシオ 1.24 kg/kWを実現しています。大木伐採のプロフェッショナルにとって、インジェクションを搭載したチェンソーは、排気量が80 cm3クラスの他のモデルよりも明らかに優れたパワーを約束してくれます。さらに、コールドスタートやウォームスタートのどちらでも、抜群の加速性と最適なスタート動作が得られます。

STIHLが自社で開発した技術は、インジェクション制御に必要なすべてのセンサーデータを電子機器に提供します。STIHL MS 500iにはバッテリーがなくスターターロープで始動するにもかかわらず、これらのデータは始動時にすぐに転送されます。このエンジン開発により、STIHLはプロフェッショナル仕様のエンジンチェンソー分野で最前線に躍り出ました。この成功は、とりわけ 電子インジェクションというインジェクション技術に起因するものです。

落葉樹林の地面でSTIHLエンジンチェンソーMS 500iを始動させる作業用防護服姿の人物

インジェクション:STIHL MS 500¡のインジェクション

MS 500iのインジェクション技術では、燃料は噴射バルブを介して吸気管に直接噴射されます。このとき噴射ポンプによって燃料圧力が一定に保たれるため、バルブはどの動作時点でも最適な量の燃料を供給することができます。燃料噴射量、噴射タイミング、点火タイミングは、STIHL MS 500iのコントロールユニットが全自動で計算します。ここでは、インジェクションシステム全体のコントロールユニットが、インジェクション技術の心臓部となります。

インジェクションが適切に機能するように、エンジンユニットのクランクケースには様々なセンサーが取り付けられています。具体的には、 外気温度センサー、圧力センサー、温度センサーです。これらのセンサーは環境条件を測定し、その測定値をチェンソーのコントロールユニットに転送します。さらにセンサーは、コントロールユニットが吸入空気量を計算するために必要なすべてのデータを検出します。これにより、最適な燃焼を実現する完璧な燃料量をキャブレターよりもはるかに正確に設定することができます。

インジェクションシステムのもう1つの革新的な技術的詳細はジェネレータです。これは、発電を確保するだけでなくセンサーとしても機能します。このジェネレータによって生成された交流電流から、インジェクション機能に不可欠な2つの情報が生成されます。それが、機械の回転数とクランクシャフトの位置情報です。このため、インジェクションシステムのコントロールユニットは、ソーの動作状態と燃料必要量を非常に正確に把握しています。したがって、燃料噴射と点火をあらゆる環境条件に合わせて最適に適合させることができます。

これらすべてはミリ秒単位で行われ、卓越した始動動作、最適な加速動作、そして一日を通して最高の性能が保証されます。コールドスタートやウォームスタート、チェンソーの手動設定も必要ありません。この作業は、すべて電子機器によって行われます。

STIHLのチェンソーエンジン内の燃料噴射:複雑な技術で作業を軽減

エンジンにインジェクションシステムを搭載したチェンソーでは、作業が大幅に軽減されます。設置スペースを最適化してより軽くなったエンジンコンセプトによって、この軽量化を実現しています。ジェネレータによる電力供給では、今まで必要だったフライホイール内の磁石が不要になるほか、フライホイールをコントロールユニットに直接配置する必要もなくなります。その結果、冷却空気をより効率的に導くことができるようになるため、フライホイールの直径と高さを、この出力クラスの通常サイズよりも大幅に縮小することができます。

インジェクションシステムを搭載したSTIHLエンジンでは、アイドリング運転に必要なフライホイールの質量は、ファンブレード下のフライホイール外周にある鋼リングによって生成されます。これにより、前例のないコンパクトなフライホイールが可能になります。さらに、クランクシャフトの負荷も低下します。したがって、従来のソーよりもさらに重量を軽くすることができます。

インジェクションコントロールユニットについても、設置スペース、重量、重心が最適化された状態でタンクハウジングに収納されています。これもコンパクトで軽量な噴射エンジンが生まれたもう一つの要因です。

インジェクションシステム搭載のSTIHL MS 500¡の要約:

  • エンジンチェンソー市場において前例のない最高のパワーウェイトレシオ 1.24 kg/kWを実現
  • 抜群の加速動作:アイドル回転数から最高回転数までわずか0.25秒
  • あらゆる使用条件下で最適なエンジン性能を発揮
  • あらゆる天候や標高で比類のない始動動作を発揮
  • チョークなしの簡単なスタート
  • 手動設定なしで操作可能