特殊合金を使用したマグネシウム製ピストンは、チェンソーを軽量化すると同時に、作業時の性能を向上させます。
06.05.2024
STIHLでは、チェンソーに2サイクルエンジンを採用しています。すべてのエンジンにはピストンがあり、その動きはクランクシャフトに伝達され、このクランクシャフトがソーチェンを駆動します。ピストンは高温で、高い負荷がかかっています。ピストンはエンジンの中心部品として、チェンソー応じて約14,000回転という高速で動きます。ピストンは、エンジンのシリンダー内で安定して高速で動き、この状態を機械の耐用年数にわたって完璧に維持して機能する必要があります。この機能性と耐久性が、チェンソーの性能に大きく影響します。従って、この構成部品の素材は、必要な強度と軽さを備えていなければなりません。
チェンソーのピストンのほとんどはアルミニウム製です。この素材は定評があり、長い耐用年数を保証します。ピストンの交換やメンテナンスは通常行われないため、機械の耐用年数は最後まで保たれます。しかし、同様の優れた最高速度を達成できるもっと軽い素材があるとしたらどうでしょうか?直接比較した場合、重量がほんの少し軽量化されただけで、パワーウェイトレシオは顕著に向上しています。毎日チェンソーを使って作業する場合、パワフルでありながら快適なチェンソーモデルが必要となります。STIHLは、軽量化と性能向上を同時に実現する革新的な製品を発表しました。
さらなる技術開発のパイオニアとして、STIHLは軽量部材を使用したチェンソーの製造に専念してきました。その結果、自社のマグネシウムダイカスト工場における正確なプロセス制御の下に、特殊なマグネシウム合金ピストンが生まれました。マグネシウムピストンは、アルミニウム製ピストンよりも軽量で、同時に高い最高回転数を達成します。つまり、 より小さなパワーウェイトレシオで、より優れた性能を発揮し、操作者に伝わる振動も少なくなります。マグネシウムピストンは、特殊な鋳造プロセスで製造され、電気分解によって硬化されます。この化学プロセスを通して、ピストン表面は堅牢で耐食性に優れた状態となります。このような工程を経て、最高の要求を満たす部品が完成します。
この新しい軽量部材は、特に林業界のプロフェッショナルユーザーが使用するチェンソーとして適しています。このような過酷な環境においてこそ、新しいマグネシウムピストンとそのメリットがフルに発揮されます。
新しいマグネシウムピストンは、現在 STIHL MS 400 C-Mのみに採用されています。
実際の現場では、 より高い出力と同じ寿命で、より快適に作業ができるようになります。このため、MS 400 C-Mの優れた性能は、剪定など難易度の高い林業作業に理想的です。軽量構造のパワフルなツールです。
プロフェッショナルユーザー向けのSTIHL MS 400 C-M:性能を向上させるマグネシウムピストンを採用したチェンソー。
MS 400 C-M | MS 362 C-M | MS 462 C-M | |
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重量 | 5.8 kg | 5.6 kg | 6 kg |
出力 | 4.0 kW | 3.5 kW | 4.4 kW |
パワーウェイトレシオ | 1.45 kg/kW | 1.6 kg/kW | 1.4 kg/kW |